コロナ禍の中、釣りがブームとなっているようです。大型釣具店では今まで釣りをしていなかった方々が釣りを始めようと多く来店されているようです。
密にもならず開放的で良い趣味ですね。
その一方で様々なトラブルが起きているようです。
釣り人同士では場所や釣り方などのトラブル。
地域と釣り人では迷惑駐車場やゴミ問題。
上記の問題は以前から取り上げられマナー等も含め釣り業界も情報発信を行っているようです。
しかし、今でも完全に解決されている訳ではありません。これらは個々の意識により変わるものであると感じています。
さて、今回は上記の問題ではなくもっと根本的に改善が必要ではないかと感じている事を取り上げたいと思います。
これは昨年SNSで話題になった投稿です。2ヶ月間で所属する漁師さんが集めたものだそうです。
その数16000個。
これはエギと言ってイカを釣るためのルアーです。もちろん針も付いてます。
日本は狭い区域等での釣り禁止はありますが基本的にはどこでも海で釣りができます。
夏は海水浴場の場所でも、ダイバーが潜る場所でも、子供が遊ぶ波打ち際も。他にも様々な所で釣りが出来ます。
想像してみてください。そのような場所に切れた糸や針もルアーも落ちていたり漂っていたり流れ着いたりしています。
ダイビングスポットに根がかりで切れた糸が林の様に漂っていたら…。釣り糸は水の中では見えにくく避けることが難しい。体に絡まりそのまま抜け出せずに…。
勝浦では海女さんや海士さんも仕事で潜っています。糸が絡まり事故が起きる可能性もあります。
昨年亡くなられた釣りキチ三平の作者の矢口高雄さんもダイバーが釣り糸に絡まる絵を書かれていたように記憶しています。80年代だったと思います。それほど前から危機として捉えられていたにも関わらず状況は大きく改善はしてないように感じています。
ゴミなどの不法投棄や海洋投棄は取り締まられています。
確かにルアーや釣りの根がかりによる物はそれらと違い不可抗力でもあります。
ただゴミが海に残される、危険な針や糸が残されるという事実があります。
釣具メーカーの素晴らしい努力により糸は格段に強くなり品質も長期間維持され安定しています。
ルアーも木製の物も減り品質も素晴らしい安定なプラスチックなどの樹脂製が増えています。
針は非常に鋭く錆びにくく折れにくい。
大変な努力を重ねられた素晴らしい技術の結晶であると思います。
しかし、その素晴らしい安定と強度が海洋汚染に繋がってしまう側面は0ではありません。
今私も含め釣り人やメーカーは先の事を環境を考えたスタイルに変わる必要があるのではないでしょうか。
時間が経過すると環境分解する釣り糸。時間が経過すると分解するプラスチックによるルアー。
腐食して無くなる鋼の針。
釣り人にかかるコストは確かに高くなります。
しかし、今のままでは釣り場所は減り海洋汚染も進み望まない事故も起きてしまいます。
綺麗事を言うなとご指摘を受けてしまうことも承知しております。私も釣りをしている以上根がかりは避けられません。現状根がかりをすれば海に残してしまう時もあります。
しかし、個人個人が小さな意識改革を行う事は決して無駄ではないと感じています。