前回記事では、清掃機具を例にしました。
今回は虫歯のお話をしましょう。
私が子供の頃や大学で学んでいるころには虫歯の予防と言えば歯ブラシをすることでした。
歯間ブラシやフロス等も推奨されていました。しかし今現在のエビデンスを確認すると物理的にプラークなど汚れを落とすことは実は虫歯予防としては推奨度は高くありません。
現在は糖質制限やフッ素の使用が推奨されています。特にフッ素の使用が推奨度が高く、かかるコストも少なく済みます。
しかし、今現在、一般的には歯ブラシによる予防の効果の方が印象が強く優先されてしまいます。今までの価値観と違い違和感があることと思いますが、
「虫歯の予防は歯ブラシを一生懸命にやり、フッ素の使用は補助的なもの」
ととらえるのではなく。
「虫歯の予防はフッ素の使用を第一優先とし、歯ブラシは歯周病を予防するためのもの」
と意識を改めなくてはなりません。
優先順位が間違えば予防効果は得られにくくなります。
また、同じ歯ブラシを行う行為も目的が変われば磨き方や場所も変わります。しっかりとした目的意識を持つことが大切です。
そしてそのフッ素の使用方法や頻度、歯ブラシの方法や回数、歯間清掃の有無、全てが個人個人の状態で違い、同じ方でも部位によって変わります。安易な情報に左右されずにしっかりとした予防方法を身につけましょう。
正直なところ虫歯予防に関して歯科医院で行う行為に大きな意味があるとは言い切れません。
歯科医院は治療を行う場所でもありますが、正しい個々に合わせた予防の知識と技術を身に付ける場所でもあります。
そして同じ方でも年齢や生活の変化等によりその予防法も変化します。それらを状況にアジャストするために受診することも大切です。
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